【美容師】くせ毛4種類|直毛とくせ毛の中身の違い

くせ毛ヘアケアでお悩みの方に向けの内容です。

  • 4種類のくせ毛
  • くせ毛と直毛の構造の違い
  • くせ毛を扱いやすくするヘアケアのコツ

についてお伝えします。(最新編集2022.11.18)

Sumi

記事のボリュームがあるのでブックマークして少しずつ読むのもおすすめです!

 

オンラインセレクトショップ「やさしいヘアケアOnlineShop」もぜひのぞいてみてください。

もくじ

くせ毛とは?

くせ毛を国語辞典で調べてみました。

くせ‐げ【癖毛】
読み方:くせげ

妙に曲がったり、一部分だけ逆立ったりして生える、癖のある毛髪。

出典:デジタル大辞泉(Weblio 辞書)

 

美容専門用語での解釈はこんなことだと思います。(個人の主観も含みます)

妙に曲がったり・・・うねり、波状毛

一部分だけ逆だったり・・・生えぐせ、ショートのくせ毛

いくつかの辞書を確認したところ、縮毛を含むという解釈も見受けられました。

 

30~40代女性でうねりやパサつきが一番の悩みと答えた女性は50%以上!


画像出典Canva

 

うねりに悩む人は30~40代の半数以上!

ヘアに関する市場調査によると30〜40代の女性でもっとも多い髪悩みはうねりパサつきというデータがあります。

30代で54.2%、40代で50.8%の人がうねりやパサつきに一番悩んでいると回答しているようです。

 

日本人は直毛が多いとされていますが、私の20年間のサロン経験では軽度のくせ毛も含めると70%以上の方にうねり(くせ毛)や縮毛などを感じたのが本音です。

 

 

 

くせ毛(縮毛)の種類4タイプ

代表的なくせ毛の4タイプをお伝えします。

部位によって数種類のくせ毛が混在している方も多いです。

 

波状毛(はじょうもう)

波状毛

ウエーブがある髪の毛。パーマのように活かしやすいくせ毛です。

 

ツヤがあってなめらかなタイプと表面がザラザラしているタイプがあります。

 

いわゆる天然パーマと言われるのはこのタイプと思われます。

 

これは比較的見分けがつきやすいかもしれませんね。

 

捻転毛(ねんてんもう)

捻転毛
捻転毛の特徴
  • ねじれ(捻転)のある強いくせ毛
  • ブローやアイロン、縮毛矯正などではねじれが取れないことも
  • ザラザラ、ガタガタしていてツヤが出にくい
  • ねじれによって薄く平らになっている部分が見られることも

 

連珠毛(れんじゅもう)

連珠毛

連珠毛の特徴

  • 比較的めずらしいくせ毛
  • でこぼこした手触り
  • 縮毛矯正でも凹凸は取れない強いくせ毛
  • ツヤが出にくい

 

 

縮毛(しゅくもう)

縮毛

縮毛の特徴

  • 文字通り細かい縮れのある髪
  • 広がりやすくツヤが出にくい
  • 縮毛矯正の効きにくい髪も

くせ毛に共通する一番の特徴は乾燥

 

くせ毛は直毛に比べると髪の中の水分量が低い傾向です。

捻転毛、縮毛、連珠毛などはもろく、切れやすい特徴もあります。

油分、脂質、水分のバランスを整えるお手入れをすると切れ毛やパサツキを緩和します。

 

実際はいくつかのくせ毛が混在していることが多いです

波状毛を持つ人の髪が全部波状毛というわけではありません。

部位によって波状毛に捻転毛が混ざっていたり、縮毛が混ざることもよくあります。

 

前の髪はストレートでも後頭部の髪は波状毛、などもあります。

長い間たくさんの方の髪を見た経験では、くせ毛の状態はとても個人差が大きいと感じます。

 

くせ毛と直毛の構造の違い

ではさっそく、くせ毛と直毛の断面図を見てみましょう。

くせ毛の断面

 

真ん中の芯のようなものはメデュラ(毛髄質)といいます。

 

細い毛、子供の毛などにはメデュラがない場合もあります。

 

髪の太さ硬さや強度に関係する部位と言われていますが、

明確な役割はわかっていないこともあるようです。

 

 

 

直毛とくせ毛の髪内部の違い

次に直毛とくせ毛の中身の違いについてお伝えします。

直毛とくせ毛の大まかな違いをまとめてみました。

 

くせ毛は一般的に水分量が少なく、髪の乾燥や広がりの悩みを感じやすい傾向です。

 髪の特徴 直毛 くせ毛
水分量 普通〜多め 少なめ
脂質量(髪の中の油分のようなもの) 普通〜多め 少なめ
2種のコルテックスの分布 比較的均一 偏りあり
キューティクルの状態 比較的均一 比較的不均一

上のイラストで髪の断面を見てみるとコルテックスという部分があるのがわかります。

 

コルテックスは髪の弾力や柔らかさ、うるおいに影響する部分です。

 

 

コルテックスにはタンパク質が多く含まれる

コルテックスタンパク質を多く含み、髪の色を決めるメラニンも含まれます。

ヘアカラーやパーマ、縮毛矯正をするとき影響が大きい部分です。

 

髪は何でできているか知りたい人は以下のページをチェック!

素朴なギモン|髪は何で出来ているのかお答えします【主成分】

2021/07/05

 

うねりが生じる最大の原因はコルテックスにあり


画像出典 Canva

髪の中のコルテックスの水分量のばらつきが髪のうねりや広がりを生む大きな要因と言われています。

 

2種類のコルテックスの特徴

コルテックスには吸水性のコルテックスと、水分を吸いにくい疎水性のコルテックスがあります。

● オルソコルテックス(水を吸いやすい)

● パラコルテックス(水を吸いにくい)

 

直毛のコルテックス分布イメージ

コルテックスのイメージ

吸水性、撥水性のコルテックスの分布が比較的に均一

直毛は真円に近い断面です。2種のコルテックスが比較的均一に存在しています。水分のバランスがよい状態です。

 

潤いやツヤもあります。

 

くせ毛や縮毛のコルテックス分布イメージ

コルテックスのイメージ

くせ毛や縮毛では吸水性、疎水性コルテックスの分布が不均一な傾向

くせ毛は歪んだ楕円の断面です。

 

2種のコルテックスが偏って存在しています。

 

そのため水分を吸収しやすい組織、水分を吸収しにくい組織のばらつきが出て、それがねじれやうねりになります。

 

Sumi

このように、髪の内側からくせ毛が誘発されていたんですね。

ご家庭ではこれだけ知っておけば充分だと思います。

 

 

 

サラサラストレートヘアの人はごくわずかである事実

画像出典 Canva

ドライヤーで乾かすだけでサラツヤなストレートヘアになる直毛は本当にまれです。

大半の日本人の場合多少のうねりがみられます。

 

 

年齢を重ねるにつれ気になるくせ毛


画像出典 Canva

年をとるにつれ、髪のクセが強くなったとおしゃる方は多いです。

コルテックスの水分量や脂質量などが低下し、

タオルを絞るようにねじれが強くなっていきます。

 

だんだん髪が細くなってきたと感じる人も多いようです。

 

乾燥によりキューティクル表面が固くなり、薬液やトリートメントが浸透しにくくなるケースもあります。

(出典:縮毛矯正剤メーカーのセミナー)

 

 

大人特有のくせ毛について興味のある方はこちらの記事をごらんください。

 

 

 

くせ毛を扱いやすくするポイントは髪内部の水分量コントロール

 

 

くせ毛を扱いやすくするポイントは水分量!

画像出典 Canva 

水分量と言いましたが、髪を水で湿らせるという意味ではありません。

 

髪の毛は乾いた状態でも髪の中に約10〜13%の水分を抱え込んでいます。

 

例えるなら、普通のティッシュペーパーと保湿ティッシュの手触りの違い・・・みたいな感じでしょうか。

 

乾いているのにうるおいを感じるあの感じです。

 

潤っているものは柔らかく感じます。

 

 

髪の中の土台に不足している水分や脂質(CMCその他)などを補給して、

髪の中に水分を蓄える力をコントロールするイメージです。

 

 

では具体的にどんなケアをすれば良いか見てみましょう。

 

 

くせ毛を扱いやすくするヘアケア5つ

 

くせ毛のコントロールには水分バランスが大事ということがわかりました。

毎日のヘアケアで以下の5つをお試しいただくとくせ毛が扱いやすくなることが期待できます。

縮毛や捻転毛などは、切れ毛になりやすい特徴もあります。

(クセがなくなるという意味ではありません。ヘアケアだけではまとまらないくせ毛もあります。)

 

くせ毛をコントロールするヘアケア5つ
  1. 乾燥しにくいシャンプーを使う
  2. 潤い補給できるトリートメントを使う
  3. うるおいを保つアウトバストリートメントを使う
  4. 髪の水分を保つドライヤーを使う
  5. 即効性を求めるときはサロンでトリートメント施術をする

乾燥しにくいシャンプーを使う

乾燥しにくいシャンプーとは、洗うことで油分や水分を損なわないシャンプーです。

石鹸シャンプーやラウリル硫酸系洗浄成分が多く配合されたシャンプーは洗浄力が高いため、くせ毛の少ない油分をとりすぎてしまう心配があります。

 

くせ毛の油分を保つには、アミノ酸系洗浄成分の中でもベタイン系など洗浄力がおだやかできしみにくいものが向いていると感じます。

 

特に頑固なくせ毛に悩む人は髪質に特化した機能があるサロン専売品のシャンプーを使うと扱いやすくなることもあります。

 

 

潤い補給できるトリートメントを使う

 

髪に不足している栄養を補充して潤いを保つ機能があるトリートメントが向いています。

くせ毛は油分、水分がもともと少ない特徴があります。

 

市販品では、グリセリンなど保湿性を高める成分で広がりを抑えるトリートメントなどもあります。

重たい質感が苦手な人など向き不向きがあるので、サンプル等で試した方が良いかと思います。

 

 

シャンプー同様、強いくせ毛の人は、より多様な髪質に対応したサロン専売品の方が仕上がりが良いと感じることが多いようです。

(サロン商品を使ったお客様からの平均的なご感想)

 

参考商品(やさしいヘアケアOnlineShop)

ケアネスシャンプー

ケアネストリートメント

 

うるおいバランスを整えるアウトバストリートメントを使う

くせ毛の人はタオルドライ後にアウトバストリートメントはもはや必需品です。

 

くせ毛は水分を保つ力がやや低い特徴があります。

アウトバストリートメントで潤いを補充すると湿気や熱、乾燥防止に役立ちます。

ブローもしやすくなり、まとまりやすくなる作用があります。

 

経験上、くせ毛を収まりよくするには、髪内部に補修、保湿成分が浸透するタイプが向いていると感じます。

 

 

普通毛から硬い、多毛、くせ毛にしっかり保湿する乳液状アウトバストリートメント

テラケア クリーム 100ml参考商品(やさしいヘアケアOnlineShop)

クリックで商品ページへ

 

普通毛〜軟毛、細毛、加齢ダメージを感じるくせ毛にハリコシ成分補給ベタつかないミスト状アウトバストリートメント

セレクタープロファイブ SP5 リバイブミスト参考商品(やさしいヘアケアOnlineShop)

クリックで商品ページへ

水分保持できるドライヤーを使う

 

正直にいうと、ドライヤーにより仕上がりの髪の水分量が変わります。

最近のドライヤーはお世辞抜きで乾燥防止機能が進化していて、

乾かした後もしなやかな仕上がりになる機種もたくさんあります。

 

ただ、良い仕上りになるほどお値段も上がる傾向です。

乾かすほど髪が広がる悩みがある人には特に違いが感じやすいと思います。

 

私の経験では、くせ毛がブローで伸ばしやすくなるドライヤーもありました。

 

 

 

サロンメニューのトリートメント施術をする

即効で髪をしなやかにしたいときはサロントリートメント施術をする選択肢も。

価格は数千円〜数万円と、サロンや効能、メーカーなど幅広く種類があります。

どんな効能を期待するかによってサロントリートメントを選ぶのが良いでしょう。

 

酸熱トリートメントはいいの?

酸熱トリートメントにはメリットもありますが、

もとの髪質や髪の施術歴や価値観などによって向き不向きがあるのも事実です。

 

条件によっては、後のカラーやパーマ、縮毛矯正などに影響することがありますので

アフターフォローがしっかりしたサロンで、よく検討してから行うのをお勧めします。

 

 

一度できたダメージはトリートメントではなくならない

 

事実、カラーなどの加工でダメージした髪をトリートメントなどでバージンヘアの状態に戻すことは不可能です。

 

髪の修復、補修という言葉はあくまで人工的に穴埋めをして補強したり、手触りを一時的に向上させるという意味です。

残念ながら、皮膚の傷がきれいに治るようなものではありません。

 

 

サロンメニューのトリートメントの進化

サラツヤヘアのイメージ 画像出典Canva

 

サロンメニューのトリートメントはあくまで擬似的に健康な髪に近い状態を作るものですが、

 

仕上がりや持続性は近年とても進化しています。

家庭用のトリートメントとサロンメニューのトリートメントの違い

  家庭用トリートメント サロンメニューのシステムトリートメント
ダメージ補修力 軽め しっかり作用
ツヤの向上 軽め ツヤが持続しやすい
持続性 シャンプーごとに行う 商品によって平均数週間〜1ヶ月程度
方法 1種類〜数種類の液剤を塗布して流す 3〜4剤式、アイロン熱を利用するもの、放置時間がないものなど色々

 

メーカーによってさまざまなシステムがあり、サロンによって取り扱い商材がさまざまです。

髪質に合ったお手入れができるよう、予約前に相談してみると良いでしょう。

 

サロンメニューのトリートメントはこんな人に向いています。

  • ブリーチやカラーダメージが気になる人
  • 加齢によるパサつきが気になる人
  • 自宅ケアで限界を感じている人
  • ツヤがない髪の人
  • すぐに潤いのある髪をつくりたい人

など試してみる価値があると思います。

 

 

【この記事のおさらい】

  • くせ毛には波状毛、捻転毛、連珠毛、縮毛などがある。
  • くせ毛はコルテックス内の水分量などのばらつきが主な原因
  • 潤いを奪わないシャンプーをチョイス
  • 栄養補充、保湿力があるトリートメントをチョイス
  • アウトバストリートメントで乾燥、湿気防止
  • くせ毛は水分保持できるドライヤーがおすすめ
  • サロンメニューのトリートメントは即効性が魅力

 

Sumi

今回はくせ毛の種類と水分量についてお話しました。

 

生まれ持った髪質は変えられませんが、適切なヘアケアでくせ毛を扱いやすくコントロールすることは可能です!