白髪を抜くとどうなるのか、以下のような話を聞いたことがあると思います。
- 白髪を抜くとはげるの?
- 白髪を切ってもいい?
- 白髪を抜きすぎる恐ろしいリスク
- ダメージさせずに白髪を染める手段
このページでは白髪を抜くことについて、20年間多くの人の白髪問題に向き合ってきた美容師の体験からお伝えします。
もくじ
結論、白髪はできれば抜かないほうがいい
結論からお話しすると白髪は抜かない方がいいです。
白髪を抜くのが楽しいという人もいると思いますが、抜くか、染めるかについてたくさんの人のケースを見たサロン経験からお話します。
白髪を抜き続けるとどんなデメリットがあるの?
長期的に同じ部位に密集した白髪を抜くと髪が細くなったり、抜けやすくなったりすることがあります。
ですが、バージンヘアや若白髪の人が1本、2本たまたま見つけた白髪を抜いてもそこから脱毛おになる心配はほぼありません。
そこまで神経質にならなくても良いかと思います。
白髪を抜きすぎてもみあげの髪が生えなくなった例
私の経験では、クライアントさんの中にもみあげの白髪を抜くのを繰り返しているうちにもみあげの髪が生えなくなってしまったという事例がありました。
白髪を毛根から毎回抜くことで、髪の毛の健康的な成長サイクルを妨げ、眉などを抜きすぎると生えてこなくなるのと同じように、徐々に髪が細くなりしだいに生えてくることができなくなることがあります。
これはつむじの髪の毛などほかの部分にも言えますので、過度に髪を抜きすぎるのは避けましょう。
白髪を抜きたくなる人の大半は、まだ髪の毛を染めたことがない人(ヘアカラーをしていない人)だと思います。
次のような人は白髪を抜き続けるのをやめたほうが良いと思います。
- もみあげや生え際、こめかみなど一定の狭いエリアに密集して白髪がある人
- つむじの髪が伸びてきたときつむじエリア直径5センチの中に白髪が5本以上ある人
- 側頭部(耳周りから前)に白髪が多い人
このような方は抜く頻度と本数が多いため脱毛や薄毛を引き起こす心配があります。
ヘアカラーなどをするか、白髪を生かすスタイルにするか抜く以外の対策を考えたほうが良いです。
大量の白髪を繰り返し抜くことで毛母細胞がダメージを受け髪が生えなくなるなどのトラブルにつながることもあります。
白髪でも黒髪でも同様です。
髪を抜くクセで20代にして頭頂部が薄くなった私のアシスタント時代
私は20代前半のアシスタント時代に仕事の緊張やプレッシャーから頭頂部の髪の毛を無意識に抜いてしまう癖に陥っていました。
あるとき周りにいる先輩から指摘されるまで自分でも意識していませんでした。
緊張すると、頭頂部の髪の毛を抜く。そんなことを繰り返していました。
他人に指摘されてから自分の頭頂部を鏡で見ると薄くなっていたのです。まだ20代です。
それから周りにいた先輩は私が頭に手をやるたびに注意してくれるようになりました。
今では当時より健康な髪が生えています。
20代でも髪の抜き過ぎは薄毛や脱毛のリスクがあります。
白髪をハサミで切ってもいいの?
美容室で、「白髪は抜かずに根本から切って」と言われたことがありませんか?私も見えない部分の1〜2本なら切っていいですよ、とクライアントさんにお伝えしますがこんな方は白髪を切るのはおすすめしません。
- つむじに白髪が密集している人
- フェイスラインに白髪が密集している人
このように表面に露出する部分に密集する白髪は、切って一ヶ月も経つと1センチくらい白髪が伸びて、下の絵のように白髪がトゲのように生えて余計目立ちます。
もみあげやフェイスラインの白髪を切って(剃って)しまう方がいらっしゃるのですが、次回のヘアカラーも染まりにくくなりますし、トゲトゲが目立つのでお勧めしません。
外出するときだけフェイスラインやつむじの白髪を隠す程度で十分な方はこんなアイテムもあります。
白髪を抜くと増えるという説は本当?
抜くことによる毛母細胞へのダメージでメラニンが生成されなくなり白髪になるという説があります。
しかしサロンの現場レベルでは白髪をよく抜くお客様で短期間に白髪が増えたという現象は見たことがありません。
過度なストレスなどで急に白髪が増えるケースはあると思います(20年以上多くの方の髪を見た経験からの感想)
どうしても白髪を抜くことがやめられないときは白髪を染めるのを検討してみる
以下のような人はヘアマニキュアやカラートリートメントなど染まりが軽くダメージが少ない化粧品タイプのカラー剤を使うのもおすすめです。
- 本来の髪のような自然な色で良い方
- 髪や頭皮に負担をかけたくない方
- アレルギー体質や敏感肌の方
1.ヘアマニキュア
具体的には、ヘアマニキュアというジャンルの、一般的なアルカリカラーではないものを選びます。髪の毛内部に化学反応を起こさず、今の髪の表面に色がコーティングされるだけなのでダメージが少なめです。また、頭皮に接触させない塗り方なので肌への負担が最小限に抑えられます。
白髪が多く根本数ミリをしっかり染めたい人には不向きです。
2.ホームケアでのカラートリートメント
ホームケアでのカラートリートメントは一度ではしっかり染まらず、何日か繰り返し使う必要があります。
カラートリートメントは厳密にいうとヘアカラーではなくトリートメントのベースに少しだけ色素が入っている、というタイプです。
軽く白髪をぼかす程度で良い人に取り入れやすいです。
白髪を抜いてしまう人の対策まとめ
- 基本的に白髪は抜かないほうがいい
- 同じ部位の白髪を抜き続けると脱毛することも
- 白髪を切ると伸びた時トゲのように立ち上がるので目立つところは気を付ける
- ヘアカラーのダメージが気になる人は化粧品タイプのカラー剤も
ご参考になれば幸いです。