スタイリング剤とアウトバストリートメントの違い


画像出典:Canva

ドラッグストアなどの商品を自分で購入するとき、どのアイテムがどういう働きをするのか、そもそもスタイリング剤アウトバストリートメントの違いがわからなくなることはありませんか?

おびただしい数のヘアケア化粧品がありますが、今回はスタイリング剤とアウトバストリートメントの基本的な違いについてかんたんにお伝えします。

 

“この記事を”書いている人

この記事は現役20年以上のサロン実体験と、毛髪科学、美容薬学の知識を持った女性美容師が書いています。

美容薬学検定1級
JHCMAヘアケアマイスター取得
アロマテラピー検定1級
美容師免許

 

アウトバストリートメントはケア目的、スタイリング剤は髪の見た目を整える目的

アウトバストリートメントもスタイリング剤を兼ねるものがありますが、ここでは一般的な違いについてまとめました。

 

アイテムのカテゴリー アウトバストリートメント ヘアスタイリング剤
おもな役割 保湿、保護など ツヤ、整髪
つけるタイミング ドライ前 スタイリング後
テクスチャー 液状・ミルク状他 さまざまなテクスチャー
セット力 基本的になし なし〜あり
保湿力・補修力 大きい いろいろ

お化粧のプロセスに例えるとアウトバストリートメントは基礎化粧品、スタイリング剤はファンデや色物コスメといった感じ

 

メイクをする時、洗顔後保湿せずファンデーションをつける人はまずいないと思います。

 

まず化粧水や美容液などで肌を保湿して整えると思います。

 

 

その役割がアウトバストリートメントと言えます。

 

 

  • 化粧水や保湿クリーム、美容液、下地→アウトバストリートメント
  • ファンデーション、口紅、チークなど→スタイリング剤

 

というような役割イメージです。

 

アウトバストリートメントとスタイリング剤それぞれの役割分担

 

上の表でお伝えしたように、2つのヘアケア化粧品はそれぞれ違う目的を持っています。では、具体的なはたらきと違いについてチェックしてみましょう。

 

アウトバストリートメントの役割とはたらき

 

  • 日中の髪の乾燥によるパサツキや広がりを防ぐために保湿したり、油分(水分)を補給
  • サロン専売品の中にはダメージした髪に特化したケア機能があるものも
  • ブローやアイロンの熱と摩擦から髪を保護する役割
  • スタイリングしやすい髪に整える役割

アウトバストリートメントのテクスチャーの種類

アウトバストリートメントのテクスチャーの種類

  • ミスト状 スプレータイプ(水状)サラサラした軽い仕上がり
  • ミルク状 水分、油分がバランスよく含まれている サラサラ〜しっとりまで幅広い
  • オイル状 天然オイルや合成オイル 軽いものからしっとり重めなものまで幅広い 水分は少ない

 

悩み別向いているアウトバストリートメントのテクスチャー

内容成分にもよりますのでテクスチャーだけでは一概に分類しきれない部分もありますが、市販品という前提で向いている髪をまとめました。

(サロン品は内容成分が大きく違うものもありますので、液状でも高保湿な商品なども存在します)

ミスト状

アウトバストリートメント

細めの髪、少なめの髪、柔らかい髪、くせや縮毛ではない髪、ダメージが少なめな髪など

ミルク状

アウトバストリートメント

乾燥毛、広がる髪、くせがある/ない髪、固めな髪、カラーしている髪、多毛など

オイル状

アウトバストリートメント

ツヤやまとまり感が欲しい髪、軽い仕上がり、ダメージが中程度以下の髪

 

 

水分と油分の配合バランスによって髪の感触が変わってきます

 

スタイリング剤やアウトバストリートメントは一般的に水分が多いと軽め、油分が多いとしっとり感が強くなり、髪に落ち着きを与えます。

髪を軽い質感にしたい人は油分少なめのアウトバストリートメント、硬い髪や乾燥が強い髪は油分が程よく配合されたアウトバストリートメントがおすすめです。

アウトバストリートメントには油分、水分の他にも髪に栄養を与える成分が配合されています。

 

スタイリング剤の役割とはたらき

  • 髪をブローやアイロンで整えた後、ツヤを与えたり、まとまりや毛流れなどの見た目の質感を整える役割
  • スプレーなど整えた髪を固定する役割のアイテムも
  • 髪の毛同士を程よくくっつけるのでボサボサ防止のはたらき
  • 天然オイルなどは、アウトバストリートメントとスタイリング剤を兼ねるものも(セット力なし)
  • 質感によって幅広いアイテムがあり、仕上がりの違いを楽しめる(濡れツヤとかマットとか)
  • セット力(固定する力)は作りたいヘアスタイルによって幅広く選べる

スタイリング剤のテクスチャーと種類

スタイリング剤のテクスチャーと種類

  • ヘアミスト(ノンガスタイプ) スタイリングした髪を固定する
  • ヘアスプレー(ガスタイプ) スタイリングした髪を固定する(固定力はいろいろ)
  • ヘアクリーム/ミルク状ワックス 髪にツヤやまとまり潤いを与える(粘度はさまざま)
  • ヘアワックス(固形タイプ)少量を伸ばしてつけることでまとまりや毛先の束感を作る、セット力は幅広い
  • バーム シアバターなど天然油脂がメインの材質で手のひらの体温でオイル状に溶かして薄く伸ばして使う
  • ジェル 固まるもの、固まらないものがある

 

目的別向いているスタイリング剤の種類

なりたいヘアデザインによって向いているスタイリング剤(整髪料)が違ってきます。ここでは特殊なものを除いた一般的なヘアスタイリング剤の種類と使用目的をお伝えします。

ヘアミストは最近は見かけませんが、ノンガスタイプはオーガニック製品などでたまに見られます。

カテゴリー\用途とはたらき こんなヘアスタイルに

髪を固定する力

(セット力)

ヘアミスト 男性の前髪などを立ち上げるなど パリッと固まる
ヘアスプレー 巻いた髪をキープ、前髪やトップをキープするなど ソフト〜ハード
ヘアクリーム/ミルク状ワックス 主にストレートスタイルにツヤ、まとまり、軽い毛束感 弱め/なし
ヘアワックス(固形) ショートヘア、毛束を強調したヘアスタイル ソフト〜ハード
バーム ストレートロング、ストレートボブなどツヤとまとまり感 なし
ジェル 濡れたような質感が欲しい時 なし〜ハード

 

 

 

アウトバストリートメントとスタイリング剤の違いをおさらい

最後にもう一度、アウトバストリートメントとスタイリング剤の違いを以下にまとめます。

アウトバストリートメントのはたらきと役割
  • アウトバストリートメントは日中の髪の保湿や保護の役割
  • サロン専売品の中にはダメージした髪を補強する機能があるものも
  • ブローやアイロンの熱と摩擦から髪を保護する役割
  • スタイリングしやすい髪に整える役割
スタイリング剤のはたらきと役割
  • 髪をブローやアイロンで整えた後、ツヤを与えたり、まとまりや毛流れなどの見た目の質感を整える役割
  • 整えた髪を固定する役割のアイテムも
  • 髪の毛同士を適度にくっつけるのでボサボサ防止のはたらき
  • 天然オイルなどは、アウトバストリートメントとスタイリング剤を兼ねるものも(セット力なし)
  • 保湿力があるアイテムも
  • 質感の変化を楽しめる幅広いアイテムがあり、仕上がりの違いを楽しめる(濡れツヤとかつやなしとか)
  • セット力(固定する力)は作りたいヘアスタイルによって幅広く選べる

例外的なアイテムも存在しますが、大まかな違いとカテゴリー分けなどまとめました。ご自分でヘアケア化粧品を選ぶときの目安となれば幸いです。

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