寝ているときに枕の摩擦で髪が痛むのはご存知かと思います。
どうやって静電気や摩擦を減らせるのでしょうか?
ここでは
- タオルが摩擦を起こしやすい理由
- 髪が傷みにくい枕カバーの素材
- 髪の静電気対策
- 寝ている時の髪ダメージ対策
をかんたんにお伝えします。
最終更新2021.11.24
この記事は現役20年以上のサロン実体験と、毛髪科学、美容薬学の知識を持った女性美容師が書いています。
美容薬学検定1級
JHCMAヘアケアマイスター取得
アロマテラピー検定1級
美容師免許
もくじ
- 寝ているときの枕カバーの摩擦による髪ダメージ
- 摩擦が起こりやすいタオル素材
- 髪の摩擦を起こしにくいのは綿やシルクのなめらかな枕カバー
- 寝る前に髪をしっかり乾かして摩擦ダメージを軽減
- シャンプー後、ドライヤー前のアウトバストリートメントが摩擦と静電気予防のカギ
- 夜につけたいおすすめアウトバストリートメント
- 髪を乾かした後は髪のほつれをとかしてさらに摩擦を軽減
- 枕カバーや寝具には静電気が少ない素材を使いたい
- 静電気が起こりにくい布生地
- 就寝時に髪を上に向けるか下に向けるか問題
- 美容師がおすすめ寝癖がつきにくく摩擦リスクが少ない就寝時の髪の配置
- 背中以上の超ロングヘアはざっくり三編みにして片側に寄せて
- ミディアムや肩下くらいのロングヘアは髪が肩の下敷きにならないよう髪をサイドによける
- 枕カバーによる摩擦ダメージを減らすポイントをおさらい
寝ているときの枕カバーの摩擦による髪ダメージ
- コームや手ぐし、ブラシやヘアアイロンによる摩擦ダメージ
- 枕カバーなど寝ている時の摩擦ダメージ
日々の積み重ねダメージをへらすために枕カバーは摩擦が少ない素材を選ぶのがポイントです。
摩擦が起こりやすいタオル素材
タオル(パイル)素材は毛足が長く凹凸があります。
髪との接触面が多いので摩擦も大きくなるのが原因と考えられます。
髪の摩擦を起こしにくいのは綿やシルクのなめらかな枕カバー
髪の毛は細くて自由自在に動き、たくさんあるので更にタオルの毛足に入り込みやすく、当然摩擦が多くなります。
反対に、綿やシルクなど凹凸のない、滑りの良い生地のほうが摩擦が起きにくいと言えます。
枕カバーの手触りがザラザラよりサラサラ、なめらかなほうが摩擦が少ないですよ。
寝る前に髪をしっかり乾かして摩擦ダメージを軽減
画像出典 Canva
髪をきちんと乾かしてキューティクルを閉じてあげることで摩擦ダメージを予防することができます。
これは枕の素材選び以前に重要なポイントです。
濡れた髪はどうして痛みやすいのか、以下の記事でわかります。
シャンプー後、ドライヤー前のアウトバストリートメントが摩擦と静電気予防のカギ
アウトバストリートメントを髪にしっかり馴染ませてからコームなどでといておきます。
- ドライヤーで乾かしても髪の中に水分を保ちやすくなる
- 乾燥による静電気が起きにくくなる
- 髪の滑りも良くなるので摩擦を防げる
夜につけたいおすすめアウトバストリートメント
ヒトヨニリラクシングミルクケア
- お顔の化粧品成分でできているので肌に触れても低刺激
- スルスルと軽い仕上がり
- 眠りにぴったりリラックス感のあるやさしい香り
髪を乾かした後は髪のほつれをとかしてさらに摩擦を軽減
ドライヤーで乾かしたあと、髪をコームでとかして絡まりをとっておきます。
濡れ髪にアウトバストリートメントをつけたあとも目の荒いコームで軽く梳かすと良いですよ。
アウトバストリートメントが全体に馴染みます。
枕カバーや寝具には静電気が少ない素材を使いたい
画像出典 Canva
気持ち良い睡眠時間を過ごすためには不快な静電気も減らしたいですよね!
静電気は髪にも起こります。
コンディショナーやトリートメントなどには一般的に静電気を起こしにくくするため
カチオン系界面活性剤などが配合されています。
アウトバストリートメントも同じようなはたらきがあります。
しかし、お部屋の環境や着ている服などによって髪に静電気が起きることはあります。
- パソコン作業をしているとき
- ドライヤーなどの家電を使うとき
など静電気が起きやすいようです。
また、化学繊維の洋服を着ているときも静電気が起きやすいです。
冬の乾燥による静電気対策として加湿器で部屋の湿度を調節することは効果的だそうです。
参考文献:松岡 芳朗、繊維及び繊維製品の静電気に関する二、三の要因とその測定、繊維製品消費科学
静電気が起こりにくい布生地
静電気が起きにくい(帯電しにくい)布生地には以下のようなものがあります。
綿、麻、絹など帯電しにくい性質の素材同士は静電気が起きにくい
(+)プラスに帯電しやすい性質の素材はナイロン、ウール、レーヨンなど
(ー)マイナスに帯電しやすい性質の素材はアクリル、ポリエステルなど
- (ー)マイナスに帯電しやすい素材
- (+)プラスに帯電しやすい素材
を組み合わせると静電気が起きやすいです。
パジャマや下着、寝具の素材は静電気が起きにくい素材を選ぶのがおすすめです。
就寝時に髪を上に向けるか下に向けるか問題
寝るとき髪の毛を上向きにするか、下向きにするかという質問を美容室のお客様からいただくことがあります。
美容師の立場での正直な意見は、どちらが正解とは言いにくいです。
どちらも次のようなメリット、デメリットがあります。
- 髪を上向きによけておくと表側の髪の摩擦が少なくなるが襟足付近に寝癖がついたり摩擦が多くなる
- 髪を下向きにしておくと寝癖はつきにくいが表面の髪に摩擦が起きやすい
いずれにしても、枕の摩擦を100%なくすことは不可能なので
摩擦の起きにくい素材で次のような対策をしてみてはいかがでしょうか?(個人の主観です)
美容師がおすすめ寝癖がつきにくく摩擦リスクが少ない就寝時の髪の配置
背中以上の超ロングヘアはざっくり三編みにして片側に寄せて
背中や腰で下敷きになるくらい長い髪は、軽く三編みにしてまとめて寝る方もいらっしゃいます。
まとめないと髪が枕一面に広がって、体の下敷きになり引っ張られたり、
摩擦を受ける面積を減らすことが期待できます。
この長さの人は寝癖はつきにくい傾向です。
ただし、真ん中で左右2つに分けるのは割れぐせが付きますので避けたほうが良いです。
ミディアムや肩下くらいのロングヘアは髪が肩の下敷きにならないよう髪をサイドによける
髪の長さが肩周りくらいの人は、髪の毛が肩の下敷きになって強い摩擦がかかるのを防ぐために、髪を左右どちらかによけると安心です。
超ロングの人と同様に、真ん中で左右に分けたり、上方向に寄せて寝ると寝癖が付きやすいです。
枕カバーによる摩擦ダメージを減らすポイントをおさらい
タオルが摩擦を起こしやすい理由や髪が傷みにくい枕カバーの素材、
髪の静電気対策などについてお伝えしました。
毎日の小さな習慣の積み重ねで髪の手触りが変わってきます。
ぜひ、ツヤ髪をキープしてくださいね!
- タオル素材は摩擦が多くなりやすい。
- 髪の毛のキューティクルは摩擦に弱い。
- なめらかな綿素材、シルクなどが枕カバーにおすすめ。
- ロングヘアの人は肩や背中での寝押し摩擦に注意。
- 摩擦や静電気対策にアウトバストリートメントをつけてから乾かす。
- 寝る前はしっかり髪を乾かしてキューティクルを閉じる。
- 絡まった毛先はきちんととかしてから寝る。
髪のダメージ要因のひとつ、摩擦についてお話します。