石鹸シャンプーを使っている人には大きく2つの理由があると思います。
・頭皮トラブルや敏感肌で一般的なシャンプーが合わない
・自然なものやエシカルなライフスタイルが好き
その中でも、ヘアカラーをしている人が石鹸シャンプーを使うときの注意点を私の髪での実体験も含めてお伝えします。
もくじ
- 美容師の結論:石鹸シャンプーはヘアカラー毛にはおすすめしない
- カラーヘアに石鹸シャンプーをおすすめしない理由
- シャンプー剤を使うメリット
- 天然成分だからすべて低刺激というわけではない事実
- 石鹸シャンプーと一般的なシャンプーの違い
- 石鹸シャンプーの使い方
- ギシギシしてきたらすすぎは完了?ではありません
- ロングヘアの人などきしんですすぎにくいときは?
- 石鹸シャンプーにはおそろいの専用リンスがおすすめ
- 酢やクエン酸で酸リンスを作ってもいい?
- 酸リンスって何?
- 酸リンス(石鹸シャンプー専用リンス)を使うときの注意点
- お風呂の椅子などに石鹸カスがついた時の対処法
- 石鹸カスとは?
- 私が使ったことのある石鹸シャンプー2つ
- ヘアカラーしている人が石鹸シャンプーを使うときのポイントまとめ
美容師の結論:石鹸シャンプーはヘアカラー毛にはおすすめしない
画像出典 Canva
カラーリングしている人は頭皮にトラブルやシャンプーによるアレルギーなどがないかぎり、シャンプーを使ったほうが快適に洗えます。
カラーヘアに石鹸シャンプーをおすすめしない理由
石鹸シャンプーはアミノ酸系洗浄剤ベースのシャンプーに比べヘアカラーの色落ちが早いです。
石鹸シャンプーはpHがアルカリに傾いているのでキューティクルを開きやすいことが原因です。
- 石鹸シャンプーは洗浄力が強めなのでヘアカラーの色落ちが早い
- 髪がアルカリできしむのですすぎが不十分になりやすい
- 髪の質感が固くなりやすい
【どうして石鹸シャンプーはきしむの?】
カラーリングのアルカリででキューティクルが開いているところに、石鹸のアルカリでさらにキューティクルが開きます。
毛先に行くほど、髪をすすぐ時のきしみやゴワゴワ感が強くなります。
ヘアカラーをしていない髪でも多少はきしみやすいですね。
石鹸シャンプーというのは液状、固形状とありますが、代表的なのはカリ石けん素地など金属石鹸成分と酸性石鹸成分があります。
大半の石鹸シャンプーはアルカリ性の金属石鹸成分でできています。
- 洗浄力が高め
- pHがアルカリ性寄り
- 皮膚刺激がやや高め
- 連続使用で石鹸カスが出やすい
- 生分解性が良い(環境に負担が少ない)
シャンプー剤を使うメリット
画像出典:Canva
- 数種類の洗浄成分をバランス配合
- 色落ちしにくい製品がある
- 低刺激性の製品がある
- 泡立ちが良い
- 仕上がりや肌に合せた幅広い選択肢
- きしみが少ない製品がある
- 石鹸カスが少ない
- 使いやすい
天然成分だからすべて低刺激というわけではない事実
以下の内容はエシカル、サステイナブル志向を否定する意味ではありません。
私もプライベートではナチュラルな化粧品や植物オイル、精油、ヘナ、クレイなどが好きでよく使います。
化粧品やシャンプーに配合されている界面活性剤やエタノールは植物由来のものがあります。
しかし植物由来でも100%皮膚に刺激がなくアレルギーが起きないわけではありません。
「〇〇がよくて●●はダメ」ではなく
「どんな仕上がりにしたいから」
「私の肌はこうだから」
という逆算の目線で化粧品やシャンプーを選ぶのをおすすめします。
石鹸シャンプーと一般的なシャンプーの違い
石鹸シャンプー | 一般的なシャンプー | |
洗浄力 | 高め | 用途によって幅広い |
仕上がりの質感 | きしみやすい | きしまないものも |
色落ちスピード | 早い | 洗浄成分によって幅広い |
油分を落とす力 | 強め | 洗浄成分によって幅広い |
泡立ちの良さ | しっかりめ | 洗浄成分によって幅広い |
石鹸シャンプーは環境に優しいのですが、手触りの面でダメージ毛にはやや難しいようです。
石鹸シャンプーの使い方
①洗髪前に髪をよくすすぐ
②石鹸シャンプーを頭につける(液体の場合は手のひらでのばして)
③シャンプーのように洗う
④よくすすぐ
⑤髪のきしみを減らしたい人は酸リンスを
ギシギシしてきたらすすぎは完了?ではありません
石鹸シャンプーで髪を洗うとすすぐときにきしむのはご存知かと思います。
流し始めてギシギシ感が出たらすすぎ終わった感じがしませんか?
実は、まだまだ石鹸成分が残っているんですよね!
ロングヘアの人などきしんですすぎにくいときは?
中間毛先にトリートメントやコンディショナーを薄くなじませて指通りを良くしながらすすいでみましょう。
トリートメントで指通りが良くなるのですすぎ残しが減らせますよ!
石鹸成分が頭皮や髪に残るのは刺激や頭皮トラブルの原因になることがあります。
ご家庭でもサロン並みにすすげるコツを動画でご紹介しています。(YouTube動画、音が出ます)
石鹸シャンプーにはおそろいの専用リンスがおすすめ
石鹸シャンプーのあとは専用のリンスを使って、ダメージケアをしたいときはトリートメントやコンディショナーを使ってOKです。
一般的に石鹸シャンプーと揃いのリンスやコンディショナーはダメージケアに特化していないので保湿力や髪の修復機能は軽めです。
酢やクエン酸で酸リンスを作ってもいい?
食用酢で酸リンスを作る方法もありますが作り置きができないことや、濃度調整が面倒なことを考えると石鹸シャンプー専用のリンスを使うのが衛生面や保存性の面で使いやすいかと思います。
酸リンスって何?
酸リンスはアルカリに傾いたpHを弱酸性に戻していく作用でキューティクルが適度に引き締まります。
酸リンス(石鹸シャンプー専用リンス)を使うときの注意点
- 所定の時間以上長く置かない
- 頭皮に残らないようしっかりすすぐ
このあとご紹介する固形石鹸シャンプー「ムーンソープ」の専用リンスです。粉なので経済的で衛生的です。
酸リンスを必要以上に長く置くとキューティクルが締まりすぎて固くなる過収斂(かしゅうれん)という状態になる心配があります。
髪を保湿したり、栄養を与えたいときは通常のトリートメント剤を使うことをおすすめします。髪は肌と違ってみずから油分を出したりできないんですよね。爪と一緒で死んでいる細胞です。頭皮は自然に皮脂が出ますよね。
お風呂の椅子などに石鹸カスがついた時の対処法
風呂いすなどに白い硬いものがついて落ちにくいことがありますよね。それは石鹸カスと言われるもので、汚れを放置せずこまめに洗剤でお掃除するのが良いようです。
参考:日本石鹸洗剤工業会ウェブサイト
石鹸カスとは?
水道水に含まれるカルシウムイオンと結合してできる石鹸スカムと呼ばれるものを作ります。蓄積すると髪を固くさせることがあります。
私が使ったことのある石鹸シャンプー2つ
私は美容師なのですがアレルギー体質を持っています。シャンプーや体調によって痒みが出ることがあります。
以前、頭皮の状態が不安定になった時、好奇心から湯シャンを半年間実践したことがありました。
しばらく湯シャンしていると、猛烈にスッキリ髪や頭皮を洗いたくなる衝動が起きるんですよね。湯シャン経験のある方、そう感じませんでしたか?
その時使った石鹸シャンプーを2つご紹介しておきます。(あくまで私の個人的なチョイスです。)
エティークは世界的にエシカルにこだわった、ニュージーランド発のシャンプーバー(ビューティーバー)です。求める仕上がりや髪質、頭皮によって沢山の種類が選べます。
私はこの時頭皮の状態が不安定だったので、デリケートヘア/スキャルプタイプを購入した。香りもナチュラルで植物油が含まれているのできしみは中程度でした。
環境に優しい素材でできたソープケースもかわいいです。
ヘアカラーしている人が石鹸シャンプーを使うときのポイントまとめ
- すすぐ時のきしみ対策にトリートメントをうまく使って
- 仕上げは通常のトリートメントがおすすめ
- パサツキが気になるときはアウトバストリートメントや天然オイルをプラス
- できるだけしっかり短時間で石鹸シャンプーする
- 色落ち対策として石鹸シャンプーは週一回くらい、アミノ酸系シャンプー&トリートメントを併用
合成シャンプーはよくないという俗説もあるようですが、
合成シャンプーでも徹底して低刺激性にこだわった材料を使ったメーカーもたくさんあるんですよ。