夏に髪が乾燥しやすいのは、エアコンの風はもちろんですが、「紫外線」の影響も大きいのはご存知でしょうか?
紫外線でダメージを受けた髪の手触りはゴワゴワして髪が固く感じることはありませんか?
ここではこんなことをお話します。
- 本当は怖い紫外線による髪ダメージの原因
- 髪の紫外線を防ぐ方法
- 紫外線を浴びた髪のヘアケア(セルフ・サロン)
もくじ
紫外線で髪がダメージするしくみ
髪は紫外線を浴びると、表面のキューティクルが酸化し、乾燥が進むことで起こります。
同時に髪の中では酸化が進みシステイン酸というダメージの元ができてしまいます。
じつは、このシステイン酸によるダメージは、カラーやパーマ、縮毛矯正で髪がダメージするしくみと同じなのです。
カラーやパーマや縮毛矯正をするときはこの「敵キャラ」システイン酸の生成をなるべく抑える処置があるくらいです。
さらに、紫外線を受けると酸化でカラーの色落ちが進み髪が明るくなることがあります。
それでは、紫外線ダメージの解決策として
予防とアフターケアの2つをご紹介します。
かんたんにできる髪の紫外線対策
まず、簡単なのはUVカット用のスプレーを使う方法です。
メリットは、スプレーがかかった部分は紫外線を防ぐ効果があります。
デメリットは、髪はお肌の日焼け止めのように「たっぷり」つけるには限界があることです。
日焼け止めは使用量が少ないと効果が出にくいので、
しっかり量を付ける必要があるのはご存知かと思います。
効果を高めたいときは、日傘や帽子を併用すると良いでしょう。
また、日焼け止めという性質上髪に多少ベタつきや重さが出ることがあるので
スタイリング剤は控えめにするなど好みで調節するのが良いと思います。
UVカットスプレーを髪の毛全部にしっかりつけることは難しいので、
紫外線の影響を小さくしたいときは髪をまとめてから、
日に当たる面積を最小限にしてスプレーするのがおすすめです。
髪を下ろした状態で付けるときは、全体に均一にしっかりスプレーします。
20センチくらい離してスプレーしたほうが細かい霧でむらなく付けられます。
近過ぎると一点に集中して剤がついてしまうので効果にむらが出やすいです。
紫外線を受けた髪のヘアケア
紫外線による髪ダメージのアフターケアを2つお話しします。
- 即効性と持続性があるのはサロンケア
- 応急処置にはホームケア
サロンケア(システムトリートメント)による紫外線ダメージのアフターケア
サロンではシステムトリートメントなどで紫外線でダメージした髪を擬似的に修復します。
いくつかのケア剤を髪の状態に応じて段階的に補給していきます。
美容室によって、使用している商材のメーカーが異なります。
私がサロンで使用しているシステムトリートメントはこんな感じです。
一般的に数段階に分けてケア剤で髪の状態を整えていきます。
①髪の内部組織の土台を整える
②髪の弾力や強度を補強
③潤いや脂質などの栄養を補給
④ツヤに直結するキューティクルの補修と保護
そうすることで健康的な髪のベストポジション「弱酸性」pH4.5〜5.5の「等電点」に整えます。
サロンでのトリートメント効果は半永久ではなく髪の状態による個人差や商品によって、3〜4週間程度の体感と言われています。
髪質改善や酸熱トリートメントは別なカテゴリー
「髪質改善」や「酸熱トリートメント」などは、
正確にはシステムトリートメントとは違うカテゴリーのものです。
特に、くせ毛対策としてトリートメントをしたい人は美容師によく相談して
自分が求める目的に向いているか、
デメリットなどあらかじめ理解しておいたほうが安心です。
ホームケア(シャンプー、トリートメント)による紫外線ダメージのアフターケア
ヘアカラーなどの化学処理が少ない髪の人、ダメージが少ない人など
ご家庭で手軽に紫外線のヘアダメージをケアしたいときは、
トリートメントも大事ですがシャンプーに注目してみてください。
なぜシャンプーが大事なのかお話しします。
傷を負った髪にとって洗浄力の強いシャンプーは
キューティクルの開きを加速し髪の中の脂質やタンパク質、
水分などが流出するのを進めます。
髪は皮膚などと違い新しく生える部分を除いて、一度傷つくと自然に再生することはありません。
過度にキューティクルを開かない、
それでいて汚れはしっかり落として、
髪の中の栄養はとどめてくれるシャンプーを選ぶのがベストです。
これは、何やら難しそうですね。
これを読んでいる方は「アミノ酸系の洗浄成分が良い」ことは聞いたことがると思います。
現在はアミノ酸系洗浄成分を配合した市販品は手に入りやすくなりました。
私の経験ではこのような洗浄での負担が少ないシャンプーを使ってから、
髪の内部タンパク質や脂質などを補給するトリートメントを使うと
相乗効果で髪の質感が良くなりやすいと感じます。
ダメージヘアに優しいシャンプーの洗浄成分の例
私は、ときどきドラッグストアなどで市販のシャンプーをリサーチすることがあります。
サロンでは、サロン専売品を販売しているのですが、
市販品のトレンドや成分なども把握する必要があると思うからです。
最近は、市販品でもラウレス硫酸系の洗浄剤がメイン配合のいわゆる「安くて強い」シャンプーはほとんど見かけなくなりました。
(アミノ酸系がメインで、洗浄力の補助的にラウレス系が配合されているシャンプーは見かけます。)
成分名と、商品名を書いておきます。
マイルドなサロンシャンプーに使われるアミノ酸系洗浄成分の例 |
ココイルメチルタウリンNa ラウロイルメチルアラニンNa ココイルグルタミン酸TEA
ココイル加水分解コラーゲンK など
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正直に言うと成分でシャンプーを選ぶのは非常に難しいと思います。
〇〇という洗浄成分さえ配合されていれば良いシャンプーとは言い切れないのです。
いくつかの洗浄成分の相乗効果やバランスによってシャンプーの個性が作られるというイメージです。
洗浄成分にはそれぞれ「性格」や「特技」があって、
良い悪いという判断ではなく、髪の状態に合うか合わないかで選ぶのが良いです。
何がなんだか意味不明ですよね。
そうなのです。
ネットに情報はたくさんありますが、
一つの洗浄成分でシャンプーを選ぶのには正直疑問を感じます。
ダメージヘアに優しいシャンプーの例
私がサロンや自宅で使って、乾燥しにくく髪の潤いを保ってくれるシャンプーを書いておきます。
この他にも、ダメージヘアに向くシャンプーは色々あります。
私のオンラインショップでもご購入いただけます。(ご来店会員様のみ販売可能な商品もございます)
キギ バイ シエラ オーガニカ リッチモイストシャンプー500ml
キギ バイ シエラ オーガニカ リッチモイストトリートメント 500g
ケアネス シャンプー(FF)フルーティーフローラル 300ml
ケアネス トリートメント(FF)フルーティーフローラル 200g
紫外線による髪ダメージのしくみと、ダメージ対策、アフターケアについてお話ししました。
夏はまだ長いので、今からでも対策をして夏の終わりもきれいな髪でいられると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ヘアケアでいちばん大事なのは「ダメージをさせない」ことなのです!