素朴なギモン|髪は何で出来ているのかお答えします【主成分】


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髪の毛一本をまじまじと観察することってありませんか?髪の毛の中身は一体何で出来ているのか不思議に思っている人にお答えします。

髪の主成分はケラチンタンパク


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髪の毛一本の80〜85%はタンパク質で構成されています。

 

タンパク質の種類を細分化するとケラチンタンパクはタンパク質のうち70%以上はケラチンタンパクで構成されています。

 

さらに細分化していくとCMCやコルテックスなど化学的な話になるのでここでは割愛します。

 

ケラチンタンパクとは?

ケラチンタンパクとは爪や髪など硬い性質のタンパク質


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髪の毛は爪や肌の角質層と同じケラチンタンパクという硬いタイプのタンパク質で出来ています。反対に肌や内蔵など柔らかいタンパク質はコラーゲンタンパク質という柔らかいタンパク質でできています。

 

 

タンパク質はアミノ酸で構成されている

人間の体を作っているアミノ酸は20種類だけですが組み合わせによって10万種類以上のタンパク質が出来ます。一方、髪の毛のケラチンタンパクを構成しているアミノ酸は18種類あります。

 

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髪の水分とは?


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よく「髪の水分量」という言葉をシャンプーのCMなどで耳にすると思うのですが髪を構成する成分のうちの11〜13%は水分で占められています。

これは、乾いた状態での髪の水分量です。主に髪の中に含まれているもので、実際に髪を触ると湿っているという意味ではありません。

 

キューティクルとは?

一番表側がキューティクル

キューティクルは髪の毛の一番外側を取り巻いているうろこ状の部分です。

【キューティクルのおもな特徴】

  • 平均的にキューティクルは一本の髪の毛に対して4〜6枚存在
  • キューティクルはケラチンタンパク(硬いタンパク質)でできている
  • キューティクルの層の中には脂質なども含まれる

 

髪の毛特有の脂質18MEA(18-メチルエイコサン酸)

ミクロの世界の話ですが、キューティクル表面に存在する脂質、18MEAは髪の毛に油分を行き渡らせたり、艶を出して髪の毛の絡みを防ぐはたらきがあります。

しかし、ヘアカラーを一度でもしたことがある人はこの部分が減少、多くが消失している場合も多く、アルカリなどの影響を受けやすい部分です。

ヘアカラーをしている人はアウトバストリートメントなどでキューティクルに油性成分やシリコーンなどのの人工的に皮膜を作って摩擦や乾燥を防ぐお手入れをしている人も多いと思います。

髪の色を決めるメラニン色素は4.5%

レベルスケール

左が赤系メラニン、右が黃系メラニンタイプのサンプル

白髪はメラニン色素が産生されなくなった状態の髪で、黒い髪の色はメラニン色素による色です。メラニン色素は髪の毛の毛母細胞にあるメラノサイトという色素細胞で作られます。

チロシンというアミノ酸が原料であるチロシナーゼというメラニンを作る酵素のはたらきでメラニン色素が作られます。アジア人は髪の色が黒っぽいのに対し、欧米人では明るいブラウン〜金色に近い髪の色も作られます。

どうして日本人は黒い髪なのでしょう?


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髪の毛の色の違いはメラニン色素のタイプによってさまざまです。メラニン色素には2つの種類があります。

  • ユウメラニン・・・黒〜茶色のメラニン
  • フェオメラニン・・・黄色〜赤色のメラニン

 

黒っぽい髪はユウメラニンが優勢で、ブロンドの髪はフェオメラニンが優勢で黒や赤の色素が少ないため髪の色が薄いのです。

 

メラニン色素は何のためにあるの?

肌のメラニン色素「しみ」の原因になるなど、あまり嬉しい存在ではありませんが人間の体を紫外線から守る大事な役割を持っています。

 

髪のメラニン色素には大事な頭を守る役目があります。特にUV-Bという280~315nmの波長の紫外線は日焼けや皮膚がんの原因となることもあるため、髪の毛とメラニン色素の存在はとても重要です。

 

髪の毛の主成分をもう一度おさらい

 

  • 髪の8割以上はケラチンタンパク(爪と同じ硬いタンパク質)
  • タンパク質はアミノ酸で構成されている
  • 乾いた髪の水分量は10〜13%程度
  • キューティクルはケラチンタンパク、脂質などから構成されている
  • キューティクルは8つの層で出来ている
  • 髪のメラニン色素は4.5%程度
  • ユーメラニン、フェオメラニンの割合で髪の色が決まる
  • メラニン色素は有害な紫外線(UV-B)から頭を守ってくれる