インターネットや日常会話で「髪質改善」「髪質を良くする」といった言葉がたびたび登場すると思います。
という方に美容師がお答えします。
記事後半では今を生きる美容師目線で「髪質改善」という言葉を掘り下げてみた答えを要約しています。
もくじ
髪質とは、人間が生まれ持った無加工の髪の質のことを指します
画像出典:Canva
国語辞典による「髪質」の意味
国語辞典の広辞苑で髪質という言葉を調べると、「その人の頭髪の性質。柔らかい、硬い、縮れているなど。」と定義されています。
髪質は人の数だけ多種多様です
人間の指紋が一人ひとりみんな同じではないように、髪の毛も一人ひとりとても違います。ざっと見て以下のような項目に違いがあります。
- 色
- 太さ
- 硬さ
- 縮毛の有無
- 毛穴の数
- はえぐせやつむじの数
- キューティクルの枚数
- 手ざわり
挙げるときりがないくらい、髪の毛には細分化された個性があります。それが合わさって総合的に「髪質」と呼ばれます。
おなじ日本人でも沖縄の人、関西の人、北海道の人では微妙な違いがあると毛髪科学に詳しいメーカーさんのお話で伺ったことがあります。
「髪質」は「改善」されるのか?
画像出典:Canva
「髪質」という言葉のニュアンスが時代とともに変化していると感じます
近年、美容室のトリートメントメニューなどで、「髪質改善〇〇」などという言葉を目にする機会が増えたと思います。私もサロンワークでそういった商材を使ったことがあります。
本来の髪質という言葉は無加工の生まれつきの髪の質を指しましたが、
近年の「髪質」という言葉の意味は、生まれつきの髪質に加えて、カラーなどの加工による質感も含めた髪の状態を総合的に「髪質」と捉えるようなニュアンスになって来ていると感じます。
それだけヘアカラーやブリーチ人口が増えて、無加工の髪を持つ人が少数派になった背景が影響しているのかもしれません。
美容師の私が考える「髪質改善」という言葉のニュアンスと意味
私がもし、美容用語辞典の編集者だったら「髪質改善」の項目を以下のように説明します。
「髪質改善」とは、カラーリングなどの加工や日常的なヘアスタイリングによる後天的に生じたダメージによる「質」と加工前の生まれ持った「質」を総括的に髪質と呼び、ダメージケアや見た目の艶やかさ、手ざわりの滑らかさを良くすることを「改善」と表現しそのような状態を人工的に作る加工を「髪質改善」と呼ぶ。美容用語。使用例:「きのう髪質改善トリートメント、やってきたのー!」など。
ポジティブ大人の髪ブログ編集者S
※個人的な意見です。
曖昧な表現も多い美容用語
画像出典:Canva
美容業界で使われる用語の中にはユーザーさんに向けてつけられた造語が多いのは事実です。
本来の日本語のような正確な定義はありませんし、例えば美容室で「ラベンダーアッシュグレージュ」や「スモーキーピンクベージュ」とようなオーダーをすれば、すべての美容師がみんな同じレシピで施術するのかと言うとそうではありません。
「ゆるふわ」などの言葉は美容師やメーカー、メディアなどがユーザーさんにPRする場面から生まれてきた造語のようなものが多いです。
時代の空気や流行を反映した言葉が多いので、これと言った定義が存在しないものもあります。
ユーザーさんがそのネーミングを見たとき、ワクワクして興味を引く名前がつけられているのですね。
「髪質」って結局どういう意味なの?!